第9回認知症研究集会に参加して

2019-9-12

令和元年9月12日(木)15:00~17:00まで気仙沼プラザホテル飛翔にて第9回認知症研究集会が開催されました。三峰病院内に開設している県認知症疾患医療センター主催の研修会です。東京都健康長寿医療センター研究部長粟田主一先生を講師に招き、「認知症の差別・偏見をなくし、尊厳と希望を持って暮らせる気仙沼をめざして」をテーマに講演していただきました。粟田先生には東日本大震災後から認知症を含む高齢者の暮らしを支えるまちづくり、医療福祉の連携構築にご尽力をいただいております。ちなみにJFKの顧問もお願いしています。

今回は『認知症への理解を深めると共に、認知症を含む高齢者に対するイメージを変えて、自分や家族、親友らが高齢になる時にどのような気仙沼であってほしいか、希望と尊厳をもって暮らせる気仙沼になっているか…』を考えていただく目的に市民講座として企画されました。

★第一部の講演では粟田先生から認知症の基本的な考え方を含め、一人暮らしの方が、うつ状態からもの盗られ妄想に繋がる心理的な背景等を、事例を通してわかりやすく解説していただきました。

「85歳以上の高齢者では認知症は特別なことではなく、私達は皆、人生の中で認知症を経験する可能性は高く、超高齢期を生きるということは、認知症を生きるということと言っても過言ではない」

この説明に会場はどよめきましたが、皆さんが自分のこととして捉えることのきっかけになったのではないでしょうか。

最後に「認知症と共に暮らせる社会とは、認知症の有無に関わらず、障害の有無に関わらず、地域に暮らすすべての人々が地域の大切な一員であると認識され、未来に向けて希望を持って暮らすことができる社会である」と締めていただきました。

 

★第二部では「認知症の専門家に聞く!高齢者の差別・偏見をどう考えるか」をテーマに粟田先生との対談が行われました。

対談者はJFK副会長でもあり、宮城県認知症疾患医療センター副センター長の遠藤眞氏とみやぎ心のケアセンター気仙沼地域センター課長の片柳光昭氏(司会)でした。

遠藤氏から今回の研修テーマに「希望」「尊厳」、「未来」「差別」が使われた経緯と対談の主旨について説明がありました(説明文をそのまま添付します)

 

『65歳以上を高齢者と呼ぶのはなぜか…65歳はまだ元気な年齢です。多少の肉体的な衰えはあっても、まだまだ知識と経験を活かした仕事や役割はたくさんあるはずと思いませんか。人それぞれ考え方は違いますが、私個人の意見とすれば、親が元気に働く姿や若い人にも負けない精神力を持って活躍し続ける姿はとても誇らしく思っています。若い世代は知識や経験豊かな人生の先輩方の指導を仰ぎ、そして尊敬し、感謝する…。人生の先輩方は若い世代の個性を尊重し、発想力と機動力を活かさせ、そして結果を褒める…。このように世代の特性を理解したうえで、柔軟な気持ちで尊重し合う人達がたくさん存在する気仙沼であってほしいと願っています。そのような気仙沼であるならば、いくつになっても、希望と尊厳をもって暮らしていけるのではないでしょうか。

若者らしく、年寄りらしく…という表現は良くも悪くも捉えられるでしょう。

悪く捉える言葉とすれば年齢差別にあたるのだと思います。年齢差別は「エイジズム」と言われ、日本では狭い意味で「高齢者差別」を指します。

認知症差別や精神障害者差別など様々差別が問題となっていますが、高齢者差別は無意識に使われ、気づかないうちに自分自身で受け入れていることが多いとされています。

たとえば65歳で定年退職を迎えた時はどうでしょう。これまでの責務から解放されて「ほっ」とする瞬間はもちろんあります。第二の人生として旅行や趣味を楽しむ、孫の世話をする、など意欲を持って取り組める人もいると思います。とても素晴らしいことです。

しかし、退職後であっても少しでも家族や地域の役に立ちたいと思う気持ちはあるが、若い人たちに迷惑をかけないように…と、好奇心を持ってチャレンジすることを、年齢を理由に諦めてしまっている人もいるでしょう。そこには不安と葛藤はありながらも、表舞台から姿を消し、家族に、地域に、社会に迷惑をかけないように静かに暮らすことが、高齢者のあるべき姿と思っていないでしょうか。

いつのまにか、知らず知らずのうちに「年寄りは年寄りらしく…」という言葉をネガティブに捉え、社会が作り上げた高齢者像の慣習を受け入れてしまっているのです。

そこに疑問を持ち、まだまだ現役でいける!と社会の慣習に抵抗して自分を主張すると「若い人に任せればいいのに」「いい歳こいて…」「時代が違うのに…」などと周囲から、特に現役世代から煙たがられてしまいます。そして、その雰囲気を察して、高齢の方は「最近の若い奴は!昔はこうだった。俺の時は先輩の姿を見て学んだ!」と怒ります。その悪循環な関係が続いて気仙沼の未来はあるでしょうか。きっと団塊世代の人達も同じように親世代に言われてきたことだと思います。歴史は繰り返されてきたのかもしれません。なぜか…。おそらくこうした話題をタブーとして向き合ってこかなかったからだと思います。そうであるならば今回あえて問題提起することで、私達がその時代になった時に考え方がかわっているかもしれません。

今日の研究集会を通して、認知症への理解を深めると共に、これまで考えてこなかった現役の若い世代が持つ高齢者に対しての偏見や差別意識、団塊世代以上の方々が無意識に受け入れてしまっている高齢者への偏見と差別意識を改めて考えていただきたいと思います。』

 

 

★対談では「地域の居場所づくり」「なぜ65歳以上が高齢者と呼ばれるのか」「高齢者、認知症、老人という名前についての偏見」などについて話し合われました。笑いもありながら、それでいて核心をつくような質疑応答ができたのではないでしょうか。

今回の研修をきっかけに「尊厳」「希望」「差別・偏見」が難しい言葉だからと目を背けず、家族や友人らと普通に話せるテーマになっていただければと思いました。

 

← JFKの活動パネルを展示させていただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑地域包括支援センターや一般社団法人コ・エル様の活動紹介パネルが展示されていました。

 

 

↓三峰病院の認知症作業療法や精神科作業療法、精神科デイケアの活動パネルが展示してありました。

 

 

 

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